抗ミュラー管ホルモン(AMH)

anti-Müllerian hormone : AMH

抗ミュラー管ホルモン(AMH)は、前胞状卵胞の顆粒膜細胞から分泌され、卵巣内の卵子数をよく反映し、成人女性では加齢により減少し閉経期よりほとんど分泌されなくなります。

AMHの値は、LH(黄体化ホルモン)やFSH(卵胞刺激ホルモン)の値と比較して月経周期による変動が少ないため、採血時期の制約がありません。

AMH<0.5~1.1ng/mlの場合、卵巣予備能低下と判断します。

      年齢とAMH値

AMH値を測定することによって、不妊治療方針の選択および体外受精における卵巣刺激法の選択に役立ちます。

AMH値が非常に低い場合は、早期の卵子枯渇による早発卵巣不全(POI)の可能性があるため、早期に積極的な治療を勧める根拠となります。

AMH値が非常に高い場合は、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の可能性が高まり、卵巣刺激法などにおいて卵巣過剰刺激症候群(OHSS)対策が必要となります。

また、ばらつきはあるもののAMH値より体外受精での卵巣刺激により得られる採卵数の予測ができます。

ただし、AMH値は卵子数を評価するもので、卵子の質を評価するものではありません。AMH値が低値でも、単一排卵により自然妊娠する可能性があることはよく知られています。

参考記事:卵巣予備能の検査

参考文献:
1)今すぐ知りたい!不妊治療Q&A、久慈直昭ら編、医学書院、2019、p138
2)一般社団法人AMH普及協会、あなたにお話ししたいAMH検査のこと

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