超音波による卵胞径の計測:
卵胞径の計測には経腟超音波を使います。同時に子宮内膜の厚さも計測します。通常、卵胞径が18~22mm程度で排卵が起こります。人により排卵が起こる時の卵胞径や子宮内膜の厚さは同じくらいのことが多いです。卵胞径計測のみでも排卵日のおおよその予測は可能ですが、尿中LHの簡易計測(排卵検査薬)を併用した方が確実です。
尿中LH簡易計測(排卵検査薬):
排卵前の尿中LHサージをとらえるための検査キットです。超音波による卵胞径の計測で排卵が近づいたと判断されたら検査を開始します。卵胞径が16~17mmあたりを検査開始の目安としますが、超音波が行えない場合には、これまでの排卵日の2、3日前から開始します。1日1回の測定で尿中LHサージをとらえられることが多いのですが、1日2回測定する方が確実です。尿中LHが陽性となった日に夫婦生活を持つよう指導します。
血中LHサージは約48時間持続し、LHサージの開始から36~40時間後、LHサージのピークから10~12時間後に排卵が起こります。血中LHサージが起きてから尿中LHサージが起きるまでは数時間とされ、血中または尿中LH値が20mIU/mlを超えたところからLHサージの開始と推定できます。尿中LH>30mIU/mlで陽性となる排卵検査薬で、陽性1日後までに91.1%、2日後までに97.0%が排卵します。妊娠成立の可能性が最も高い性交のタイミングは排卵の1~2日前であり、排卵後は妊娠率が低下します。
参考文献:
1)データから考える不妊症・不育症治療、竹田省ら編、メディカルビュー社、2017
2)インフォームドコンセントのための図説シリーズ 不妊症・不育症(改訂3版)、苛原稔編、2016
にほんブログ村
コメントを残す