緊急避妊法

emergency contraception (EC)
レボノルゲストレル( LNG) 1.5mg 製剤

緊急避妊法(emergency contraceptive : EC)とは、妊娠を望まない女性が、避妊せずに行われた性交または避妊したものの避妊手段が適切かつ十分ではなかった性交(unprotected sexual intercourse : UPSI)の後に、緊急避難的に妊娠成立を阻止するものである。

わが国では、レボノルゲストレル( LNG) 1.5mg 製剤が唯一の緊急避妊薬として2011年に正式に承認されており、緊急避妊法(EC) の第一選択として推奨される。

服用方法:LNG 単剤 1.5mg 1錠を性交後 72 時間以内に1回服用する。有効性を考えれば、できるかぎり速やかに服用することが望ましい。

服用後2~3時間以内に嘔吐した場合は、再度内服するか内服以外の方法に変更する必要がある。また、緊急避妊法の成功後も妊娠を望まない場合は、経口避妊薬(OC)、レボノルゲストレル放出子宮内システム(LNG-IUS)など、より確実な避妊法の選択を勧める必要がある。

レボノルゲストレル( LNG)は合成黄体ホルモン(プロゲスチン)である。

   レボノルゲストレル( LNG)

産婦人科診療ガイドライン・婦人科外来編2020
CQ403 緊急避妊法の実施法と留意点は?

Answer
「緊急避妊法の適正使用に関する指針」(日本産科婦人科学編、平成28年度改訂版)を参考に、緊急避妊法(emergency contraception : EC)について情報を提供し、必要に応じて実施する。
1. 性交後72時間以内にレボノルゲストレル(levonorgestrel : LNG)単剤1.5mg錠を確実に、できるだけ速やかに1錠服用する。(B)
2.内服以外の方法として、性交後120時間以内に銅付加子宮内避妊具(copper intra-uterine device : Cu-IUD)を使用する。(B)
3. ECの効果は完全ではなく、施行後も妊娠の可能性があることを説明し、必要に応じて来院させ妊娠の確認を行う。(A)
4. 以後、より確実な避妊法の選択を勧める。(B)

参考文献:
1)緊急避妊法の適正使用に関する指針、日本産科婦人科学編、平成28年度改訂版
2)産婦人科診療ガイドライン・婦人科外来編2020、日本産科婦人科学会/日本産婦人科医会、2020
3)ノルレボ錠1.5mg、添付文書、あすか製薬株式会社

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