女性の年齢と妊孕能(にんようのう)

妊孕能 fertility

妊孕能とは妊娠する能力を意味する用語である。

女性は年齢とともに卵胞数が減少する。出生時に200万個あった原始卵胞は年齢とともに減少し、思春期には5~10万個となり、35歳以上から減少率は加速し、閉経で0となる。女性の一生で排卵する卵子数は約400個である。また、一部の女性では子宮内膜症や卵巣腫瘍などを発症し、卵巣機能が低下することがある。いったん低下した卵巣予備能は回復することはない。卵巣内に残っている卵子の数は、血清抗ミュラー管ホルモン(AMH)値でその目安が確認でき、卵巣予備能を評価することができる。

加齢による卵胞数の減少

一方、卵子の質はAMHでは測定できず、年齢に相関する。卵子の質を正確に表す指標は、現在のところ存在しない。卵子の妊孕能は、おおむね37歳から44歳の間のどこかの時点で消失する。いったん卵子が加齢により妊孕能を消失すると、現在の不妊治療では妊孕性を回復することは不可能であり、治療不能(絶対不妊)となってしまう。そのため、そうなる前に治療を開始することが唯一の対処法となる。

受精卵の着床率は、原則として年齢の影響を受けないが、子宮筋腫や子宮内膜ポリープなどの子宮疾患により影響を受ける。子宮内膜症、子宮筋腫、子宮頸がん、卵巣悪性腫瘍など、女性の不妊の原因となる病気は年齢とともに増加する。

参考記事:
不妊症診療における基本的考え方

参考文献:
データから考える不妊症・不育症治療、竹田省ら編、メディカルビュー社、2017

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