不育症・習慣流産

自然流産:
全妊娠の10~15%に起こります。自然流産の60~80%に胎児染色体異常が認められ、この偶発的に発生する染色体異常はどの妊娠においても発生する可能性があり、予防あるいは治療することはできません。

反復流産:
連続して2回流産を繰り返す状態をいいます。全妊娠の約5%に起こります。

習慣流産:
連続して流産を3回以上繰り返す状態をいいます。全妊娠の約1%に起こります。

不育症:
不育症は「生殖年齢の男女が妊娠を希望し、妊娠は成立するが流産や早(死)産を繰り返して生児が得られない状態」と定義されます。

不育症のリスク因子:
一般的な流産率は10~15%なので、流産を3回繰り返す確率は計算上約0.1~0.3%となるはずですが、実際の頻度は不育症4.2%習慣流産0.9%とこれよりかなり高い。従って、不育症・習慣流産では何らかのリスク因子が存在することが示唆され、以下のリスク因子の精査が必要です。リスク因子は多様化してますが、その半数以上は原因不明です。
抗リン脂質抗体症候群
子宮奇形
染色体異常
内分泌・代謝異常(甲状腺機能異常、糖尿病)
血液凝固異常(凝固第Ⅻ因子、プロテインC、プロテインSなどの欠乏症)
その他のリスク因子(感染症、同種免疫異常、多嚢胞性卵巣症候群など)

参考文献:
1)データから考える不妊症・不育症治療、竹田省ら編、メディカルビュー社、2017
2)生殖医療ポケットマニュアル、吉村泰典監修、医学書院、2014
3)インフォームドコンセントのための図説シリーズ 不妊症・不育症(改訂3版)、苛原稔編、2016

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